とてもショックなニュース。作家の山本文緒さんが亡くなられた。
山本さんは私が大好きな作家さんの1人で山本さんの本はほぼ全部読んでいた。
つい数ヶ月前に発売された「自転しながら公転する」を読んでやっぱり山本さんの小説は面白いなぁと浸っていたばかり。
もう山本さんの新しい本が読めないんだと思うととても悲しい。
ご冥福をお祈りするとともに、いくつか山本さんの本を紹介したい。
そして私は一人になった
はじめて読んだ山本さんの本。1年間の日記が綴られているエッセイ。
他人の日記ってこんなに面白いんだぁと強く感じた本。
本当にね、日々の日常を綴っているのですよ。今日はスーパーに行って、こんなご飯を作って食べて、仕事はかどらなかったなぁとか、ほぼそんな内容が続くんですが、面白いんです。 きっとそれが山本さんの文才なんでしょうね。
この本にであった頃は私は実家暮らしだったので、1人暮らしを満喫している山本さんの日記を読んで、楽しそうだなぁ!私も1人暮らししてみたいと感じたものです。
小説はもちろんですが、エッセイも面白いのが山本さんの魅力の1つです。
恋愛中毒
「恋は人を壊す。」
恋愛中毒
冒頭はこんな一文からはじまります。
恋愛にのめり込むと周りが見えなくなってしまう主人公が、穏やかに平凡に暮らしていたのに、また恋愛にのめりこんでしまうストーリー。
恋愛モノだけど、個人的にはミステリー要素が強いと思ってる。
山本さんの小説って最後に大どんでん返しがあるのがわりとあって、それに鳥肌が立つのですよ。
愛は憎しみと紙一重なんて言うけど、その模様が描かれています。とにかく面白くて読みやすいので是非読んでいただきたい。
自転しながら公転する
これも大どんでん返しだったなぁ。
東京で働いていた32歳の独身女性が実家に帰って近所で働きはじめる話。恋愛、仕事、介護などなど、 今の時代に合った内容で、リアリティがあった。
うんうん、こういう悩みあるよね、って共感できる部分が多い。
まだ一回しか読んでないので読み返したいって思ってる(恋愛中毒は10回以上読み返している)
シュガーレス・ラヴ
ストレスをテーマとした短編集なんですが、中でも「睡眠障害」をテーマにした話があって、それがすごく記憶に残ってる。
山本さんの小説に出てくる悩みってどれもリアリティがあるから、共感しやすい。
どちらかというと全体的に明るい話ではないけど、みんな色んな事に悩みながらも前進していく、私も頑張ろうと思える一冊だった。
再婚生活―私のうつ闘病日記
冒頭で紹介した「 そして私は一人になった 」と同じ、日常の日記なんだけど、うつと闘病されていた頃の日記になります。
内容が内容だけに面白いって表現は失礼なのかもしれない。でも私はやっぱり読んでいて山本さんのエッセイは面白かった、というのが正直な感想。
うつと診断されるまでは、わりと生活も不規則な印象でやっぱり心と身体って繋がっているんだなと感じた。
入院もされていて、その時の様子も詳しく書かれていて、普段中々知る事のできない世界なので勉強になった。
あと、旦那さま(王子)が優しくて素敵な方だなと思いました。